「分散型発電新聞」インタビュー

2008年03月31日

「政治家に聞く」洞爺湖サミットに向けて温暖化対策の方向

 公明党は連立与党として、洞爺湖サミットに臨むことになる。地球温暖化問題をめぐって、どのような政策を提案し、国際社会に向けてアピールしていくのか。
 なお、環境問題に後ろ向きな議員が少なくない自由民主党に対し、どのような提案を行い、またリードしていくのか。政調会長の斉藤鉄夫氏に話を聞いた。

本誌 洞爺湖サミットにおいて、与党としてどのように取り組むのか、また成功させるために、どのような目標を考えているのか。

斉藤 まず、4月1日から京都議定書の第1約束期間となるので、これを確実に達成していく具体的な決意を世界に発信していく。その上でリーダーシップを発揮し、ポスト京都の枠組みをしっかりと打ち出す。
 中国、インド、アメリカも参加してもらえる、同意が得られる枠組みの構築に向けて方向性を示したい。
 政府では福田総理が総重量目標を検討することを言明しており、また有識者会議を設置して、具体的な政策などをサミット前に提案をまとめる方向だが、わが党としては積極的に議論し、有識者会議の報告の前に提案をまとめたい。
 排出権取引はもちろんだが、環境税に関しても取りまとめるつもりだ。

数値目標はサミット前に出す

本誌 サミットでリーダーシップを発揮するためには、日本としての数値目標を出すべきだという意見があるが、どうか。

斉藤 数値目標はサミット前に出していくつもりだ。
 やはり、西暦何年には世界の温室効果ガス排出量をピークアウトさせる、そのために、日本はここまでやるといった目標を示すことは必要だろう。

本誌 同じ与党でも、自由民主党の党内での議論と箱となっていると感じるが、どうか。

斉藤 自民党とは、地球温暖化問題の対策に関しては考え方に開きがあると考えている。与党として、一定の結論を出すために一緒に議論することも多いが、地球温暖化対策に限っては、別々に議論を進めていく方針だ。その上で、それぞれの結論を合わせた方が良い結果が得られるだろうし、そこで我々が議論をリードするようにしたい。

本誌 議論となるテーマの一つは、キャップ&トレード方式の国内排出権取引制度だと思う。この制度について、どのように考えるか。

斉藤 総理の発言によって制度を導入する方向で進んでいることは明らかだ。ただし、具体的な方法については考え方にまだ開きがある。
 我々としても、産業界のおっしゃることには耳を傾けるが、この制度の導入は、文明論的な大きなアプローチを伴うものだ。そこを理解いただけるようにしたい。
 とはいえ、制度の詳細についてはまだお話できる段階ではない。サミット前には結論を出していく。

環境税は党内で議論している段階

本誌 排出権取引とともに、経済的手法として環境税がある。こちらについても導入の是非をうかがいたい。

斉藤 党内で議論している段階だ。二酸化炭素排出を削減した人が得する制度を何らかの形で導入することは必要だと思う。
 その際、税制中立となるような形で導入すれば、国民の理解は得やすいだろうと、個人的には思っている。

本誌 日本独自の提案として、セクター別アプローチの導入があるが、これについてはどのように考えているか。

斉藤 先日のG20(地球温暖化に関する主要20ヶ国閣僚級会合)では、セクター別アプローチについて、途上国やヨーロッパの理解が得られなかったと感じている。サミットにおける成功を考えるのであれば、国別目標設定と企業別目標設定を、それぞれ取り入れればよいのではないか。
 セクター別アプローチに対して、産業界の隠れ蓑ではないかという見方があるということも聞いている。また、そうではない、温暖化防止に資するやり方ができるという意見もある。したがって、その是非はまだ判断できない。

途上国には石炭火力の高効率化で貢献

本誌 ポスト京都においては、途上国の理解を得ることが重要になってくる。途上国対応についてはどのような提案を行うのか。

斉藤 途上国にあるエネルギー効率の悪いシステムを改善していくのが先進国の貢献だ。このことによって、途上国が持続可能な経済発展を実現させていけばいい。おそらく、先進国はかなりの持ち出しになるだろう。しかし、CO2を大量に排出してきた責任が先進国にはある。
 具体的には、石炭火力の高効率化が最も効果があると考えている。また、途上国での原子力開発は大きな議論にはなるが、技術の平準化などのバックグラウンドが構築され、安全なシステムとし、火力に取って代わるようにしたい。

本誌 再生可能エネルギーの普及についてはどうか。

斉藤 RPS法の導入に携わった経験があるが、結果として導入目標は低いものとなっている。再生可能エネルギーの更なる普及については、RPSの目標の上方修正と固定価格買取制度の両方から考えていきたい。

(聞き手・小西議弘)

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