太陽光発電世界一を奪還を

2008年09月04日

【公明新聞掲載記事】

太陽光発電が、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出せず、枯渇の心配もないクリーンエネルギーとして世界的な注目を集めている。これまで日本は、発電量、装置の生産量ともに「世界一」を誇ってきたが、2004年に発電量でドイツにトップの座を奪われており、政府は「世界一」奪還をめざす方針を打ち出している。太陽光発電システム普及の現状や課題を探るとともに、斉藤鉄夫環境相(公明党)にインタビューした。

 『新築住宅 導入は1割程度』
 『年間8万6千円分の発電可能』

 東京都府中市の住宅展示場――。積水ハウス(株)の担当者は「あれが太陽電池が設置された屋根です」と指さした。しかし、その太陽電池は屋根瓦と一体化して分かりにくい。こうしたタイプは従来型と違って住宅の外観を損なわないので、人気が高いという。
 太陽光発電システムは、太陽電池のほか、発電される直流電流を住宅用の交流電流に変換する装置などで構成される。発電能力は主に装着する電池数で決まる。展示されていたシステムの発電能力は最大5・82キロワットだが、主流は同3〜4キロワット。
 太陽光で発電された電力は住宅内で消費されるが、晴天の日中など発電量が消費量より多い時は、余った電力を電力会社に売る。逆に、雨天や夜間など少ない時は、足りない分の電力の供給を受ける。
 このため、外壁には売電用と買電用の二つの電力メーターが併設され、室内には発電量と電力消費量、売買した電力量などを示す小型モニター画面が設置されている。同社では4キロワット級システムを導入すると、年間8万6000円分の電気を発電できると試算している。
 同社の太陽光発電システムの価格は、最大発電能力1キロワット当たり45万円。「普及を促そうと価格を低く設定しているが、導入に踏み切る方は、まだ新築住宅の1割程度」(広報部)だという。
 なお、同展示場には、パナホーム、旭化成ホームズ、三井ホーム、多摩中央ミサワホームも出展しており、各社とも太陽光発電システムの導入プランを用意している。
 『設置費軽減が普及のカギ』
 『公明の主張で検討開始 補助金や優遇税制など』
 太陽光発電は、導入後の経費は少なくて済むが、設置費用が高額だ。環境省によると、一般的に住宅用の発電システム価格は最大発電量1キロワット当たり66万円。太陽電池の耐用年数を20年に設定して換算すると、1キロワットを1時間分発電するのに46円かかり、通常の電力使用料の2倍に相当する。このため、設置費用の軽減が導入促進への課題だ。
 公明党は、発電システム購入への補助金支給や税制上の優遇、価格低減に向けた技術開発の促進を主張。政府・与党が8月29日に決定した「安心実現のための緊急総合対策」にも「家庭・企業・公共施設等への太陽光発電の導入」と明記された。08年度補正予算案への反映が期待されている。
 また、経済産業、環境両省の09年度予算概算要求でも、公明党の主張を反映した大胆な導入促進策が打ち出されている。
 まず経産省は、住宅用発電システムの購入補助金(最大発電能力1キロワット当たり上限10万円)として238億円を計上。技術開発の促進(101億円)なども盛り込んでいる。一方、環境省は「世界一」奪還への戦略策定に新たに約1億円のほか、先進的な導入支援を行う地方自治体への補助金支給などに前年度比8倍増の約20億円を計上している。
 さらに両省は、09年度の税制改正要望で、太陽光発電導入への税制上の優遇措置拡充を掲げている。

 『なぜ今、太陽光発電か/斉藤鉄夫環境相(公明党)に聞く』
 『CO2削減進める主役/日本経済支える産業に』

 ――なぜ太陽光発電に力を入れていくのですか。
 斉藤環境相 私自身、以前から太陽光発電衛星の開発を提案するなど太陽光発電の活用を訴えており、公明党も国政選挙の度にマニフェスト(政策綱領)に掲げています。その理由は二つあります。
 一つは、CO2削減に向けて、再生可能エネルギーの大幅な導入を図る必要があるからです。太陽光発電はその主役と言えます。
 二つ目は、日本が世界をリードしてきた太陽光発電の分野を、わが国の経済力や国際競争力を支える産業に育てていくためです。

 ――環境相として、どんな取り組みを展開しますか。
 斉藤 政府は太陽光発電量で「世界一」の座を再び獲得することをめざし、7月に閣議決定した「低炭素社会行動計画」において、2020年までに、現在の10倍、30年に40倍にするという目標を掲げました。その実現に向け、当面は装置設置への補助金支給や税制上の優遇などを08年度補正予算案や09年度予算案に盛り込むよう、経済産業省とも緊密に連携しながら取り組んでいきます。
 また、太陽光発電による電気を電力会社が高く買い取るよう法律で定めたことで導入が進んだドイツの例なども参考に、余剰電力を電力会社が買い取る仕組みや社会負担のあり方について検討を進めたいと思います。

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