斉藤政調会長に聞く

2010年01月01日

【公明新聞掲載記事】

依然厳しい雇用情勢
技術力低下にも強い危機感
産業政策で需要を創出
政府の経済対策に緊張感なし

斉藤鉄夫

 ――雇用情勢が厳しさを増しています。

 斉藤鉄夫・公明党政務調査会長 前政権が講じた経済対策で景気は上向きかけたものの、鳩山政権誕生後は不透明感が増してきました。特に、雇用情勢は厳しく、予断を許しません。

 さまざまな業界の方と懇談する中でも、景気が悪く、会社の存続が危ういとの悲痛な声をよく耳にします。また、仕事がなくなれば、企業の研究開発も低迷し、日本のモノづくりを支えてきた優れた技術力が失われかねないとの危機感も肌身で感じました。

 こうした厳しい状況を踏まえ、公明党は先月8日、首相官邸で雇用対策を含めた緊急経済対策を政府に申し入れました。

 ――政府は今年度第2次補正予算を編成し、総額7.2兆円の経済対策を実施するようですが。 

 斉藤 政府には、今の厳しい経済情勢に対する危機感がなく、経済対策にも緊張感がありません。

 この7.2兆円のうち2.7兆円は今年度第1次補正予算の執行停止分です。また、3.5兆円は税収減となる地方交付税の補てん分などで、新規の経済対策は実質1兆円程度にすぎません。

 その上、2次補正予算案を今年の通常国会に提出する場合、経済対策の実施は、早くても3月ごろになります。これでは打つ手があまりにも遅すぎます。

 だからこそ、公明党は申し入れで1次補正の執行停止を解除し、景気を下支えする施策を即座に講じるよう政府に強く求めました。

 ――公明党の雇用対策は。

 斉藤 日本経済は35兆円もの需要不足に陥っています。モノやサービスを求める需要に比べ、それらを供給する能力が余っている状況です。このため、雇用を守るには35兆円分の新たな需要をつくり出さなければなりません。

 公明党は環境や医療・介護、農業などを成長分野と捉え、ここで雇用を生み出す必要性を訴えています。これは需要不足を埋めるだけでなく、世界のモデルとなる国をめざす先行投資ともいえます。

 例えば、環境分野では、低炭素社会の実現に向け、環境を軸に産業力や経済力、競争力を強化しなければなりません。医療・介護も社会の重荷ではなく、成長の糧として捉え、持続成長を実現することで高齢化社会のモデルを世界に示していきたいと考えています。

 農業については競争力の高い農産品の生産に力を注ぐとともに、中山間地では耕作放棄地を活用して、バイオマスエネルギーの原料となる作物の栽培を進めます。

 新たな雇用を生み出すには、新しい産業政策が必要です。公明党は雇用創出に向けた産業政策を提案し続け、厳しい雇用情勢の改善に全力を尽くす決意です。

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