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三遊亭小遊三師匠(社団法人落語芸術協会副会長)と新春対談

【公明新聞中国版掲載記事】

笑顔と幸せあふれる社会めざして

斉藤鉄夫、三遊亭小遊三師匠(社団法人落語芸術協会副会長)と握手

斉藤 小遊三師匠!明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。

師匠 いやー新春は気持ちがいいですねー。こちらこそ、よろしくお願いします。そういえば斉藤さんとの馴れ初めは、いきなり街でばったりってわけじゃないんですよね(笑)。文化芸術振興基本法ができるって時に、僕ら落語家が陳情した先の担当の議員が斉藤さんだった。本当によくやってくださって、おかげさまで初めて法律の文面に「落語」という文字が載りました。

斉藤 当時、公明党の中に文化芸術振興会議を設置しまして、なぜか理科系の私がその議長を務めることになりました。各分野を公平に見るためには、もっとも芸術に縁遠そうな斉藤がいいということで(笑)。それで、どういう法律にしようかという話し合いの時に師匠に来ていただいて、お話を伺ったんです。

師匠 そうそう。政治の世界の人ってのは、どっか怖そうなイメージがあるんですけど、斉藤さんは親しみやすい雰囲気で助かりました。だいたい政治家と話すのは緊張しますからね。だって、しくじったら法律に「落語」の文字が載らなくなちゃう(笑)。
斉藤 文化芸術振興基本法の施行から早くも6年がたちました。実際に、「これは良くなったな」と思うことはありますか。

師匠 これまで寄席は、あんまり「いいところに来たな」っていう感じじゃなかったんですよ。やっぱり造りが古いもんですから。だから、いくらかでもお客さんに快適に過ごしてもらうためにお金を使っています。それから若手の育成も。今では当たり前のように海外公演に行かれるようになりましたが、昔は夢にも思っていませんでした。そりゃもう、これまでとは全然違いますよ。寄席の活動がたくさんできるようになって、お客さんの数は2年続けて右肩上がりなんです。

斉藤 それを聞くと私もうれしいです。われわれ政治家の役目は予算を確保することなんですが、来年度の文化予算は過去最高になる予定なんです。国家予算全体に占める割合は、まだ0・13%にすぎませんが、基本法が成立したことで予算を増やす根拠ができたんです。

師匠 素晴らしい!ただ、その中で落語に使えるのは0・0…1%でありまして。厳密な数字はわかりませんけれども、できれば落語の方にもう少しですね…もらいたい(笑)。それはともかく、落語の寄席は毎日のようにやっているところがいくつもあるんです。これだけやってるというのは、文化芸術が広がっていくのに落語家は貢献していると思うんですよ。江戸時代からですし。毎日毎日…安いんですよ出演料は本当に(笑)。

<落語家の〝話芸の力〟に驚嘆!>

斉藤 それにしても師匠をはじめ、落語家の皆さんの〝話芸で人を引きつける力〟にはいつも驚嘆しています。まったく違う次元で恐縮なんですが、私、毎週朝方にJR広島駅前で街頭演説をやっているんですが、立ち止まって聞いてくれる人はほとんどいません。「少し聞いてやろうかな」というふうになったらいいんでしょうけれど、これは難しいですね。

師匠 それは簡単ですよ。夕方にやりゃあ、立ち止まりますよ。朝に立ち止まって聞いてたら会社遅刻してクビになりますよ(笑)。夕方なら大丈夫です。家に帰りたくない奴は絶対いますから(爆笑)。

<文化芸術が子どもの智恵を培う>

斉藤 公明党は子どもたちが本物の文化芸術にできるだけ多く触れられるように、予算配分などで努力しています。文化芸術に小さいころから触れていると、つらいときに自分の心を表現したり、整理することができるようになるんだと思います。そういうことができないと、キレたり、思い悩んで閉じこもってしまうのはないでしょうか。

師匠 閉じこもるような子どもがちょっとでも少なくなるようにしたいですよね。僕らの世代はみんなラジオで落語を聞いて、「あーおもしろいな」と興味を持って落語家になったという人が随分いるんですよ。子どもっていうのは、想像力を働かせるというのが一番大事じゃないかなと思いますね。それには文化芸術が一番適していると思います。そういうものに興味を持ってもらえたら、知恵や想像力が一段と培われるんじゃないかな。僕は体育会系ですけど(笑)。

斉藤 現在、公明党の文化芸術振興会議の議長は松あきら、事務局長は浮島智子です。両名とも芸術家出身です。私は顧問を務めております。より一段と強い体制でこれからも「笑顔と幸せあふれる社会」を目指して頑張りますので、何卒よろしくお願いいたします。それでは最後に師匠から、謎掛けの手解きを一つお願いいたします。「公明党」とかけて。

師匠 「落語」と解く。その心は…どちらも「庶民の味方」です。おあとがよろしいようで。

斉藤 きょうは、ありがとうございました。

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