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参院選勝利めざして 党幹部座談会5

鳩山政権の「生活第一」は看板倒れ

 漆原 経済、基地、献金の「3K問題」のうち、鳩山由紀夫首相自身を直撃しているのが献金偽装事件だ。首相の秘書が政治資金収支報告書に虚偽記載したとして起訴されただけでも本来ありえないことなのに、母親からの巨額の贈与が課税逃れになっていたことも明らかになった。

 井上 母親から首相への“子ども手当”が毎月1500万円。1回の手当で家まで買える金額だ。庶民感覚と程遠い巨額の“子ども手当”をもらっていた首相に「生活が第一」の政治ができるはずがない。看板倒れも甚だしい。

 松 しかも、母親からの資金は献金を偽装する出所の一部になっていることが分かりました。首相は国会で母親からのお金は「ないと信じている」と答弁していましたが、ウソをついていたことになります。

 斉藤 さらに小沢一郎幹事長の資金問題もある。西松建設をめぐる違法献金事件だけでなく、新たに土地取引をめぐる不明朗な資金移動問題も出てきた。

 漆原 土地取引の問題では、小沢氏が任意の事情聴取を受けるとの報道もあり、民主党内にも動揺が広がっている。18日から始まる通常国会では、これらの「政治とカネ」の問題も徹底追及したい。

 山口 政府と与党の“ツートップ”がそろって「政治とカネ」の問題を抱えているとは、極めて異常な事態だ。政治に対する国民の信頼という大きな視点から国民が納得できる形での解明が必要だ。

 松 声を大にして言いたいのは、政権・与党首脳の疑惑に民主党内から「徹底解明すべき」との声が全く挙がっていないことです。

 井上 鳩山首相はかつて、秘書の不祥事に対して、「私は政治家と秘書は同罪と考えます」「政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば『あれは秘書のやったこと』と嘯いて、自らの責任を逃れようとしますが、とんでもない」などと言ってきた。それが自分の献金偽装事件では「秘書がやった」と言い逃れようとするのは自語相違も甚だしい。首相としての資質が問われる。

 漆原 公明党は「清潔な政治」を実現するために、先の臨時国会に独自に提出した政治資金規正法改正案を必ず成立させたい。

 山口 政規法改正案は、秘書などの会計責任者が収支報告書の虚偽記載をし政治家が監督を怠った場合、公民権を停止する厳しい内容になっている。鳩山首相は法改正に及び腰だが、昨年の衆院選では賛同していたのだから、自らの発言に責任を持つべきだ。

 谷あい 議員が収支報告書に署名するようにし、議員の責任を問える形にすることなども考えるべきだ。

ムダ削減もかけ声倒れに

 斉藤 内閣支持率低下のもう一つの要因が「マニフェスト詐欺」と呼ばれている公約違反だ。民主党はマニフェストで、政権を取った初年度にムダ削減で7兆円はひねり出せると豪語していた。それがフタを開けてみたら1兆円程度しかカットできなかった。

 松 マニフェストで触れていない16歳未満の住民税の扶養控除(33万円)廃止を決めたことも、重大な公約違反です。子どもを持つ親から「寝耳に水の増税」と批判の声が挙がっています。

 漆原 民主党が喧伝している「政治主導」の実像もはっきりさせなければならない。その一つとして、通常国会で民主党は国会法を改正し、国会で政府の憲法解釈を示してきた内閣法制局長官の国会答弁を禁止しようとしているが、大きな問題を含んでいる。

 山口 法制局長官に代わって閣僚らが答弁すると、その時の政権によって憲法解釈が変わり、解釈改憲につながる恐れがある。専門家からも「時の政権、政治家が都合の良いように解釈すれば、法治国家としての安定性が失われてしまう」(西川伸一・明治大学教授)と指摘されている。

議員立法、質問主意書を活用

 漆原 通常国会では、公明党として「3K問題」を中心に政権の姿勢をただしていくが、論戦は委員会質問だけではない。議員立法、質問主意書、法律に付帯決議を付けるなど使える手段はすべてフル活用していく。

 井上 いずれも論戦の武器として大事だ。昨年の臨時国会では、草川昭三副代表が出した質問主意書への政府答弁書で、執行停止した今年度第1次補正予算の事業のうち、101事業を来年度予算概算要求に“復活”させたことが発覚した。

 斉藤 これはマスコミでも大きく取り上げられ、鳩山政権が予算編成の過程で、いかにいい加減なことをしていたかが明白になった。

 山口 政治家の仕事は国民のために何をするか、が原点だ。通常国会は政権交代後、初の本格的な論戦になるので、公明党は新ビジョンを政策判断の軸として、鳩山政権に対して是は是、非は非の立場で、どこまでも「庶民の党」として、“公明党ここにあり”の成果を挙げていきたい。

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