中小企業守る改革貫く
公明党の山口那津男代表、井上義久幹事長は14日、東京都新宿区の党本部で日本商工会議所(日商)の岡村正会頭らと会い、日商から社会保障と税の一体改革について要請を受け、意見交換した。公明党から石井啓一政務調査会長、斉藤鉄夫税制調査会長も出席した。
この中で日商側は、2010年代半ば以降を含む、国民負担率(税・保険料)を明確にし、持続可能な社会保障制度の再構築のために、給付の重点化と効率化を徹底するよう主張。「事業主の負担に大きく依存した社会保険料体系の維持は限界」として、税と保険料、給付と負担などのバランスを見直すべきだと指摘した。
また、消費税率の引き上げとタイミングについては、デフレ脱却の道筋を示し、国会議員の定数削減や公務員制度改革など、身を切る行財政改革の断行が前提だと強調。仮に引き上げる場合も、中小企業に対する負担軽減策が不可欠としたほか、過去の引き上げ時も大きな景気の下振れがあったとして、「相当規模の景気・経済対策が必要だ」として、慎重な対応を求めた。
さらに岡村会頭は、海外移転を図る企業が増えていることから、産業の空洞化に強い懸念を示し、「アジアの成長を取り込むのは前向きだが、法人税率や社会保険料負担が重く、国内の立地条件が悪い。海外から人が来る土壌ができていない」と改善を求めた。
これらの意見に対し井上幹事長は、今後の社会保障制度について「機能強化と同時に効率化にも取り組む必要があるが、給付抑制につながるようでは国民の理解が得られないのではないか」として、サービス提供側の効率化が望ましいとの考えを示した。また消費税率の引き上げについては、日商側と同様の認識だと伝えた。
山口代表は、日商の意見を今後の議論に生かしたいとした上で、「中小企業の声を受け止め、公明党ならではの現場に即した(改革の)あり方を検討したい」と述べた。
【公明新聞より転載】