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衆院東日本大震災復興特別委員会で質問

質問する斉藤鉄夫

産業復興へ 支援早く

 衆院東日本大震災復興特別委員会は25日、被災した青森、岩手、宮城、福島、茨城の各県から商工業と農業、漁業の団体関係者15人を参考人に招き、復興基本法案に関する参考人質疑を行った。公明党から石田祝稔、斉藤鉄夫両氏が質問した。

 石田氏は「復興に際して従来の法体系だけでなく特区をつくり、今までの規制や金融、税制を超えたものが必要だ」と述べ、県や市町村の単位で「復興特区」を創設する必要性を強調。参考人に見解を求めた。

 福島県商工会議所連合会会長の瀬谷俊雄参考人は「特区は非常に素晴らしいアイデアだ」との見解を示した上で、特区エリアの線引きなどの課題を指摘。茨城県商工会連合会会長の外山崇行参考人は、全国の商工会会員が被災地へ送る義援金の免税措置を求めた。

 一方、斉藤氏は「被災地の復興に観光の振興が重要だ」と指摘し、外国人を含む観光客の誘致への課題を聞いた。宮城県商工会連合会会長の天野忠正参考人は「福島原発の一日も早い収束がなければなかなか難しい」と述べる一方で、観光資源が豊富で十分に楽しめる東北への観光客誘致に引き続き全力を挙げる考えを示した。

 また、斉藤氏は、大津波で漁船や漁網のほとんどを失った漁業の再開に向けた取り組みについて見解を求めた。宮城県漁業協同組合経営管理委員会会長の木村稔参考人は、第1次補正予算に盛り込まれた事業などを活用し、当面は漁船などの共同利用を進め、再開をめざす考えを示した。

被災5県から農漁業、商工業関係者を招き、参考人質疑を行った衆院震災復興特別委員会

<主な参考人の意見陳述から>
2次補正を速やかに
岩手県漁業協同組合連合会代表理事会長 大井 誠治氏

 岩手県の水産業は沿岸地域の基幹産業であり、水産業の復旧・復興なくして沿岸地域の復旧・復興はない。
 まずワカメ、アワビ、秋サケの「つくり育てる漁業」の再建が復興の第一歩だ。一連のサイクルである漁業、流通業、加工業を一体的に素早く再生しなければ、漁業者、関連業者が廃業・撤退しかねない。漁港や集落の整備、漁業者の生活支援、漁協を核とした地域復興も国の全面的な支援をお願いしたい。
 第1次補正予算は当面の復旧策だ。さらなる復旧・復興対策を盛り込んだ2次補正予算を速やかに成立してほしい。私たちも精いっぱい努力するが、今回の大災害によるマイナスからゼロに戻すことは自助努力では不可能だ。

意欲保てるメッセージを
宮城県農業協同組合中央会副会長 菅原 章夫氏

 農業の生産基盤は未曽有の被害を受け、復興どころか復旧もままならない。津波による農地の流出・冠水面積は宮城県沿岸部で1万5000ヘクタールに上り、県内の全耕地面積の10%超だ。排水下流域の2次災害防止のため作付けを自粛せざるを得ない水田も650ヘクタールある。
 生産手段の全てを失った被災農家は収入の道も途絶えた。農業関連の災害復旧事業や公共事業で優先的に雇用していただきたい。被災農家は営農意欲を失いつつある。再生の見通しがはっきりすれば営農意欲も持続できるので、国から復興への明確なメッセージを早く出してほしい。被災農家の債務整理支援、農地や排水施設の早期復旧、生産機材の整備、将来に希望が持てる農業政策の確立をお願いしたい。

福島は特別立法が必要
福島県商工会議所連合会会長 瀬谷 俊雄氏

 「復興」ということに、私は違和感がある。福島県(が直面する課題)は復興ではなく、今起きている事象をどうするかだ。
 一番の問題は原発事故だ。例えば(原発周辺の)町村を国が買い上げるなど、抜本的な手だてを講じないと再生できない。
 被災3県に共通する震災復興法案も大事だが、それとは別に福島県としての特別立法をお願いしたい。
 賠償問題は、原子力損害賠償法で(定める国の負担上限)1200億円は、ケタが一つ二つ違うのではないか。原賠法によらない法律的な枠組みをお願いしたい。
 土壌汚染の問題は、いかんともしがたい。公的な場所から優先に(買い上げてほしい)。この3点に、ご尽力をお願いしたい。

【公明新聞より転載】

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