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衆院予算委での公明党の質疑(要旨)


質問する斉藤政調会長(左端)=8日 衆院第1委員室

8日の衆院予算委員会で公明党の斉藤鉄夫政務調査会長が行った質疑(要旨)は次の通り。

政治姿勢など
辞職勧告の議論から逃げるな

斉藤政調会長 被爆地の広島が2020年のオリンピック誘致に手を挙げている。勇気ある提言として応援したいが、首相も応援してほしい。

鳩山由紀夫首相 現地に関する多くの方々の気持ちは十分に理解できる。背中を押すことができればと考えている。

斉藤 (民主党の石川知裕衆院議員の)議員辞職勧告決議案について、同党の山岡国会対策委員長は「秘書の時の問題だから辞職を国会で審議するには当たらない」と主張している。首相も同じ考えか。

首相 国会で決める話だ。

斉藤 民主党に対して同決議案を議論しようと言うのは、党代表がすることだ。(首相は)あまりにも人ごとで、逃げている。

首相 国会運営の中で決めたい。

斉藤 小沢幹事長に不起訴の判断が下されたが、国民は説明が十分だと思っていない。

首相 残念ながら国民が十分な説明ではないと思っている実態はあろうかと思う。本人がしっかり説明することに尽きる。

斉藤 わが党は政治資金規正法の改正へ向けた協議を行おうと各党に呼び掛けている。民主党も参加してほしい。

首相 (民主)党代表としては前向きに判断を申し上げたい。

斉藤 原口総務相に関係の近い国会議員OB11人が、総務省の顧問となっている。恣意的な人事だ。全省庁の顧問のデータを出してほしい。

平野博文官房長官 委員会、理事会で決めていただいたら、それに従う。


国際的枠組みの戦略示せ地球温暖化と日本経済

斉藤 科学技術の面で日本が優位にある分野の一つは、環境・エネルギー技術だ。これをどう日本経済の発展に生かしていくのか。二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを25%削減する政府目標は評価するが、一つ間違えると逆に日本が衰退していく道につながっていく。

この野心的目標には、環境・エネルギーの技術革新を推し進め、日本がリーダーシップを取るという意味がある。リーダーシップを発揮し、一つの国際的枠組みをつくれば、日本の優秀な技術を世界に役立たせ、日本の経済を大きく飛躍させることができる。

問題は新たな国際的枠組みができず、京都議定書締約国でない米国、中国、インドなど主要排出国が別の枠組みをつくって、京都議定書と並立という状況になることだ【表参照】。結果的に温暖化が進展し、日本には京都議定書の過大な義務が残り、日本の経済は縮小していかざるを得ない。

今、その岐路に立っている。昨年(2009年)12月の気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)では、結果的に国際的枠組みができなかった。首相はせっかく高い目標を掲げながら、どのようなリーダーシップを発揮したのか。今後、戦略を持っているのか。

首相 メキシコでのCOP16は絶対に成功させる強い意志を持って日本もリーダーシップを発揮したい。

斉藤 もう一つ、世界に説得力を持たない理由は、国内対策がまったく明らかになっていないからだ。25%削減のうち、日本国内でどれだけ減らし、海外でどれだけ減らすかの戦略がまったく立っていない。試算をできるだけ早く開示せよ。


子ども手当
現行制度を存続し、金額上乗せ「児童手当そのもの」

斉藤 児童手当は、公明党が42年前に提案し、連立政権に入って10年間で、総額1兆円というところまで拡充した。この間、民主党は、児童手当の拡充に「バラマキ」だといって反対してきた。今回の(予算)案を見ると、児童手当をそのまま残して、それにプラスする形で総額2.2兆円の子ども手当となった。これは児童手当そのものだ【図参照】。なぜ今まで反対してきたのか。

「社会で子育てを支援する」「控除から給付へ」という考え方そのものには反対しない。民主党マニフェストによると2011年度以降、総額5.3兆円かかるが、やるのか。

首相 全額支給できるように努力したい。

斉藤 子育て支援には経済的支援と環境整備がある。「(5.3兆円という)お金があるなら、働きながら子育てができる環境整備に回すべき」という現場の声がある。

長妻昭昭厚生労働相 保育所については毎年定員を5万人ずつ増やす。バランスよく実行していく。

高齢者介護
国交相「ケア付き住宅」拡充へ努力

斉藤 公明党は介護総点検運動を通じて、全国3000人超の議員が10万件以上の意見を伺ってきた。その中から、さまざまな政策提言を行っているが、これまで取り上げなかった一つの声として、自宅介護になった場合の「ケア付き住宅」の拡充を図ることが皆さまの安心につながると強く感じた。ケア付き住宅の拡充について伺いたい。

前原誠司国土交通相 非常に重要だ。都市再生機構や公営住宅の建物がかなり老朽化している。厚労省と協力しながら、ケア付き、あるいは病院のサービスが付いた形でうまく改築し、(拡充する)方向へ努力していく。

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